人の意見を生きるな

社会に出て四捨五入で10年、ふとした時に「これって自分がやりたいから、じゃなく、周りからどう思われるかで決めているよな」と思うことが増えました。社会で過ごす期間が増えるにつれて、自分の声が聞こえなくなっていく不思議。

人生の幸せを決められるのは、他の誰でもない自分だけです。例えば、あなたがフリーランスになって自分の時間を自由に使えることに幸せを感じるタイプだとする。だけど、周囲にいる人たちは大企業に勤めていてその中で出世することが幸せ。これって全く逆の価値観だし、どちらが正しいとかないんです。でも、どうしても周りの大多数の声が大きくなって、気付くと自分の中に聞こえる声が他人の声になっている。これって、日本でよく起きている同調圧力と同じこと。

人って、声の大きい人や声の多い方向に流されてそれを自分の意見だと勘違いしてしまいがちなのですが、本当に自分の選択や人生に満足するためには自分の声を聞くことが大切だと、最近つくづく思います。

最近読んだ中で、久しぶりにはっとさせられた本。
人間に与えられた時間は4,000週間。人生の時間は有限であるという事実を受け入れることで、初めて自分の声を聞き本当にやりたいことに集中することができる。

やるべきことはいつだって多すぎるし、これから先もそれはきっと変わらない。そのなかで心の自由を得るための唯一の道は、「全部できる」という幻想を手放して、ひと握りの重要なことだけに集中することだ。

限りある人生を生きるということはーそれがどんなに最高の人生であってもー絶え間なく可能性に別れを告げる過程なのだ。

限りある時間の使い方 オリバー・バークマン著

限られた人生の時間、自分が幸せだと感じることをするべきです。そして、自分がどんな時に幸せだと感じるのかをきちんと理解できるようになること。

人の意見を生きるな。

男性社会の中で、自分らしく働くということ

男性社会の中で自分らしいキャリアを築くためには、女性特有の弱みを理解して、同時に女性特有の強みを伸ばしていくことが大事というお話。

私が働いている業界はとにかく男社会。入社した時は女性が全体に占める割合は1割以下という状態で、これはまた大変な場所に来てしまった、とその当時は思ったものの、女性だからと特別扱いされるでもなく、ここまでのびのびと働かせてもらってきた。そんな私も駐在員として海外に出た瞬間、駐在員の同僚や上司たちは全員(文字通り、全員!)男性になり、彼らの立ち振る舞いやマネジメントスタイルに、自分が女性であることを意識する瞬間が出てくるように。

例えば、男性は自分の実績や仕事ぶりをアピールすることがうまい。交渉も強気で行う人が多かったり、女性と比べると相手とぶつかることに躊躇しない人が多い気がする。私も周りに負けじと上司の立ち振る舞いを真似してみたりしたものの、自分の中のナイーブな部分が顔を出してしまい、どうにもうまくいかない。それで気付いたのが、彼らは幼い頃からスポーツなどで戦う姿勢を叩き込まれているということ。それに比べて私は「人にやさしく」「協調性が大事」などと言われて育ってきたのだから、いきなりサバンナの真ん中に放りこまれたようなもの。一体どうすれば・・・と思っていた時に出会った本。すべての働く女性におすすめの一冊。

コーチングの神様が教える「できる女」の法則

この本の中では、女性がキャリアを築く上で障壁となる悪癖を12個の代表的なものにまとめて解説している。女性特有の強みは男性側の弱みであることが多く、逆もまたしかり。つまり、女性特有の悪い癖を理解して改善することと、女性としての強みを磨くことで、自分らしくいたままで男性と対等に渡り合えるようなる。私個人的には、人は強みを伸ばして伸ばしまくることで相手と差をつけることができると思っているのだけど(女性特有の強みの話はまたどこかで)、もちろん弱みを改善することも重要で、そのための一助となる本であることは間違いなし。

この本に出てくる12の悪癖は以下の通り。どうですか?耳が痛いなっていうもの結構あるのでは。私もまだまだこれら悪癖直し切れていないけれど、これからもこの癖が出てきたら「また出てきたな」と気付いて少しずつ直していければなと思っています。

悪癖1:自分の実績をきちんと言わない
悪癖2: あなたの仕事ぶりをほかの人が自然に気付いて報いてくれると期待する
悪癖3: 専門性を過大評価する
悪癖4: 人間関係を築くだけで活用しない
悪癖5: 初日から協力者を得ようとしない
悪癖6: キャリアより仕事を優先する
悪癖7: 完璧主義の罠に陥る
悪癖8: 喜ばせたい病
悪癖9: 矮小化する
悪癖10: やりすぎる
悪癖11: 反芻する
悪癖12: 自分のレーダーで注意散漫になってしまう

コーチングの神様が教える「できる女」の法則, サリー・ヘルゲセン&マーシャル・ゴールドスミス著

ジグザグキャリアを歩む全ての女性たちへ

「私の人生、一体どこに向かっているんだろう」
そんな悩みを持つ人は女性に限らず、そこら中に溢れている。それでも、女性だからこそ人一倍悩んでいる人が多いのではないかと、自分の経験を踏まえて思う。それはなぜか?

周りにロールモデルがいないから。
悩んだ時にふと見渡した周りにいるのが男性ばかりだから。
身近でキャリアを切り開いている女性はスーパーウーマンのように見えるから。

自分自身が男性社会の中で働いてきた中で一番困ったこと、それは同じ目線で相談し合える仲間がいないことだった。仕事は楽しい、会社の同僚や上司もみんな素敵な人ばかり。それでも、女性として気軽に相談できる人はあまりいない。

若手と言われる世代から先輩と言われる世代になる中で、「ぜひあなたの経験を後輩に伝えてほしい」と言われることが増えてきた。私の経験が誰かのためになるのなら、喜んでシェアしたい。そう思うと同時に、自分ががむしゃらに悩みながら進んできたこの道も誰かのためになるのかな、と思うように。
そういうわけで、せっかくだったら社内だけじゃなくて世の中に発信しちゃおうということで、このブログを始めることにした。

一人で悩んだ時、キャリアの進め方が不安になったとき、
ライフプランについて悩んだとき、
相談相手が見つからないとき、
女性がそんな心細い気持ちになった時に、気軽に読みにこれるようなそんな場所にできたらとても嬉しい。

人生100年時代と言われて早数年。見据える先はどんどん遠く長くなり、数年後自分がどこで何をしているのかも想像がつかない時代。私もまだまだ日々悩みながら、この茨の道をジグザグジグザグと寄り道しながら進んでいる。昔はその道が遠回りをしているように思えたけれど、今振り返ってみるとジグザグの分岐点で思いもよらない出会いがあり、結果として想像もしていなかったような場所にたどり着いている。

まっすぐ進む道よりも、ジグザグ道の方が面白い。